青い海なんて、どこにもない。沖縄の「現在(リアル)」を抉り出す衝撃作『遠いところ』
「ねぇ、私どうしたらいい?」
あらすじ・ストーリー
沖縄県・コザ。17歳のアオイ(花瀬琴音)は、夫のマサヤ(佐久間祥朗)と幼い息子と3人で暮らしている。
お互いにまともな職に就けず、生活は困窮。さらにマサヤは仕事を辞め、アオイに暴力を振るうようになる。生活費を稼ぐためにキャバクラで働き始めるアオイだったが、そこはさらなる泥沼への入り口だった。
貧困、暴力、若年出産。出口のない閉塞感の中で、彼女が最後に見つけた「居場所」とは——。
主要キャスト
- アオイ 役花瀬琴音
- 海音 役石田夢実
- マサヤ 役佐久間祥朗
- 監督工藤将亮
あまりに痛くて、美しい。鑑賞レビュー
【感想1】主演・花瀬琴音の「眼差し」に射抜かれた
★★★★★ (5.0)これが演技初挑戦とは思えない。彼女の乾いた笑い声と、時折見せる諦めたような目が脳裏に焼き付いて離れません。
ドキュメンタリーを見ているような生々しさがあり、観ている自分まで息ができなくなるような圧迫感。でも、絶対に「無関係」だと言い切れない現実がそこにはありました。
【感想2】沖縄映画のイメージが覆る一作
★★★★☆ (4.5)青い海もハイビスカスも出てきません。映るのはコンクリートの壁と、深夜のネオンと、生活感あふれる部屋だけ。
救いのない物語に見えるけれど、ラストシーンのアオイの表情には、微かな、でも確かな「意志」を感じました。重いけれど、今観るべき傑作です。

